Windowsのエクスプローラーには、フォルダー内のファイルを調べて、そのフォルダーを「音楽」「画像」「ビデオ」などに自動分類する機能があります。
このため、MP3やWAVなどの音声ファイルを入れただけで、エクスプローラーの表示項目が勝手に次のような音楽向けのものへ変わることがあります。
- トラック番号
- タイトル
- 参加アーティスト
- アルバム
- ジャンル
音声ファイルを単なるファイルとして管理したい場合には、更新日時やファイルサイズなどが見えにくくなり、かえって不便です。
Windowsの通常の設定画面には、この自動判定を完全に無効化する項目がありません。しかし、レジストリに設定を追加することで、通常のフォルダーを勝手に「音楽」へ変更しないようにできます。
注意事項
ここで紹介する方法は、Windows 10およびWindows 11で利用されているレジストリ設定です。
ただし、Microsoftの正式な設定画面やグループポリシーとして提供されている機能ではありません。Microsoft Q&Aでも紹介されている方法ですが、将来のWindowsアップデート後も永続的に維持されることまでは公式に保証されていません。
また、レジストリを誤って変更すると、Windowsやアプリケーションの動作に影響する可能性があります。実行する場合は、記載されたコマンドを変更せずに使用してください。
フォルダー種類の自動判定を無効化する
1. エクスプローラーを閉じる
開いているエクスプローラーのウィンドウを、いったんすべて閉じます。
2. Windowsターミナルを開く
スタートボタンを右クリックし、次のいずれかを開きます。
- ターミナル
- Windows PowerShell
今回変更するのは現在のユーザーに対する設定なので、原則として「管理者として実行」は必要ありません。
3. 以下のコマンドを実行する
次の内容をすべてコピーして、ターミナルまたはPowerShellへ貼り付け、Enterキーを押します。
New-Item -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell' -Force | Out-Null New-ItemProperty -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell' -Name 'FolderType' -PropertyType String -Value 'NotSpecified' -Force Stop-Process -Name explorer -Force Start-Process explorer.exe
コマンドを実行すると、Windowsエクスプローラーがいったん終了し、自動的に起動し直します。
この設定で何が変わるのか
次のレジストリ値が作成されます。
キー: HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell 値の名前: FolderType 種類: REG_SZ(文字列値) 値のデータ: NotSpecified
FolderTypeをNotSpecifiedに設定することで、通常のフォルダーを中身によって「音楽」「画像」「ビデオ」などに自動分類する動作を抑制し、基本的に「全般」扱いにします。
その結果、音声ファイルを入れただけで表示項目が音楽用に切り替わる現象を防止できます。
すでに「音楽」と判定されたフォルダーが直らない場合
Windowsは、フォルダーごとの表示形式をレジストリに記憶しています。
そのため、自動判定を無効化しても、すでに「音楽」として記憶されているフォルダーについては、以前の表示が残る場合があります。
その場合は、保存されているフォルダー表示設定をいったん削除してから、自動判定を無効化します。
実行前の重要な注意
以下の処理を実行すると、これまでフォルダーごとに設定していた次の情報もリセットされます。
- 表示形式
- アイコンの大きさ
- 並べ替え順
- グループ化
- 表示する列
- 列の幅
個別に調整しているフォルダーが多い場合は、その点を理解したうえで実行してください。
表示設定をリセットするコマンド
ターミナルまたはPowerShellを開き、次の内容をすべて貼り付けて実行します。
Stop-Process -Name explorer -Force Remove-Item -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\BagMRU' -Recurse -Force -ErrorAction SilentlyContinue Remove-Item -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags' -Recurse -Force -ErrorAction SilentlyContinue New-Item -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell' -Force | Out-Null New-ItemProperty -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell' -Name 'FolderType' -PropertyType String -Value 'NotSpecified' -Force Start-Process explorer.exe
この処理では、保存済みのフォルダー表示設定を消去したあと、あらためてFolderTypeをNotSpecifiedに設定しています。
すべてのフォルダーに好みの表示を適用する
自動判定を無効化したあと、標準の表示形式も設定しておくと使いやすくなります。
- 適当なフォルダーを開く
- 表示形式を「詳細」など、好みの形式に変更する
- 必要な列や列幅を設定する
- エクスプローラー上部の「…」をクリックする
- 「オプション」を開く
- 「表示」タブを選択する
- 「フォルダーに適用」をクリックする
- 確認画面で「はい」を選択する
これにより、設定した表示が「全般」フォルダーの標準として使用されます。
元の自動判定へ戻す方法
フォルダーの自動判定を元に戻したい場合は、追加したFolderTypeを削除します。
ターミナルまたはPowerShellで、次のコマンドを実行します。
Remove-ItemProperty -Path 'HKCU:\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell' -Name 'FolderType' -ErrorAction SilentlyContinue Stop-Process -Name explorer -Force Start-Process explorer.exe
これで、フォルダー内のファイルに応じて「音楽」「画像」「ビデオ」などを選択するWindows標準の動作に戻ります。
まとめ
音声ファイルを入れただけでフォルダー表示が勝手に「音楽」へ変わるのを止めるには、次のレジストリ値を設定します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags\AllFolders\Shell
FolderType = NotSpecified
単にフォルダーのプロパティから種類を「全般」に変更するだけでは、別のフォルダーで同じ現象が発生する可能性があります。
レジストリで自動判定そのものを無効化すれば、MP3やWAVなどを含むフォルダーが勝手に音楽向け表示へ変わる動作を、ユーザー単位でまとめて抑制できます。
ただし、これはMicrosoftが設定画面として正式提供している方法ではなく、レジストリを利用した対処です。大型アップデートなどで設定が消える可能性までは否定できないため、再発した場合はFolderTypeの値が残っているか確認してください。