国民年金には、保険料をまとめて前払いすることで割引が受けられる「前納制度」が存在する。しかし、この制度を最大限に活用しようとすると、日本年金機構の不可解なほど不親切な仕組みに直面することになる。
1年分と2年分の割引額に潜む「格差」
まず注目すべきは、その割引額の差だ。送られてくる封書に入っている納付書で手続き可能な「1年前納」と、手続きが煩雑な「2年前納」を比較すると、その差は一目瞭然である。(金額は令和8年4月からの額)
- 1年前納の割引額:3,820円
- 2年前納の割引額:16,010円
1年分を2回繰り返すよりも、2年一括の方が圧倒的に割引額が大きいのは間違いない。
なぜか届かない「2年前納」の振込用紙
これほど大きな差があるにもかかわらず、日本年金機構から送られてくる封書には、最大でも1年分までの前納用紙しか同封されていない。
2年分をまとめて支払いたいと考えた場合、利用者は自ら動かなければならない。具体的には、近くの年金事務所へ足を運び、あらかじめ申し込みを行う必要があるのだ。(郵送でも可らしいが…) しかも、4月からの2年分を一括前納したい場合、その申し込みを2月末必着で行わなければならないのだと… そして、その事実を知るのが4月に送られてくる納付案内という… ふざけ過ぎじゃないか??
著しく煩雑な手続きのハードル
さらに、この2年前納の手続きには以下のような「ややこしいルール」が付きまとう。
- 事前申し込みが必須である。 現金納付(納付書払い)の場合は、年金事務所へ申出書を提出しなければならない(郵送は可能。口座振替等の場合はオンラインや金融機関窓口でも可能だが、いずれにせよ事前申請という手間がかかる)。
- 専用納付書の到着を待つ必要がある。 申し込み後、改めて2年分の専用納付書が送られてくるのを待たねばならない。さらに現金納付の場合、2年ごとに自動継続されず、毎回申し込みが必要という罠まである。
- タイミングによっては別払いが発生する。 申し込みのタイミングや、口座振替などへ変更する手続きの進捗によっては、最初の数ヶ月分を別途納付書で払い込む必要が生じるなど、仕組みが非常に複雑である。
数千円の割引で満足させるような納付書だけを送りつけ、はるかに恩恵の大きい2年前納には高い事務的ハードルを設ける。こんな腹立たしいことがあるだろうか。
国民の義務として支払う以上、最も有利な選択肢を、最も簡単な手続きで提供するのが本来あるべき姿である。これから前納を検討する方は、この「不親切なハードル」を乗り越えてでも、2年前納を選択する価値があるかを慎重に判断しなくてはならない。
ということで、自分自身、今回どうするかをまだ決めかねているが、ひとまず備忘録としてここに記しておくことにする。
【追記】 マイナポータルから「ねんきんネット」に飛んでそこから振替の申し込みをネットだけで出来るっぽいが、やはり申し込みは2月末までに終えていないと4月からの振替ができないのかもしれない(どこにも明記されておらず詳細は不明。) まったくもって痒いところに手が届かないサービス…
【追記2】 クレジットカードで支払うと、カードによってはポイントが付くらしいが、カード払いをする場合も事前に申請が必要なんだとか。マジでふざけてる。体裁として色々な払方用意してますよというポーズだけ取りつつも、実際には使わせたくないんだろ?!と思ってしまう。
